あなたが本当に決断を下せば、人生を変えることが可能だと、僕は信じています。
"腹をくくる"という言葉の意味を調べてみたところ、「どんな結果が出ても動じない覚悟を決める」という意味らしいですね。これは、強い意志が必要な決断を下すということだと理解しています。
僕が会社を辞めようと考えた時、いや何年も前からそう思っていましたが決心がつかずダラダラと・・・それは相当悩みましたよ。家族や子供がいなければ一も二もなくケツをまくっていたことでしょう。それに僕が営業所の責任者の立場でなければ決心も早かったと思います。少人数の営業所でしたから残された部下の生活にも責任が・・・と思っていたのです。
それに僕はずっと会社員として過ごしてきました。9年間ほど経営者の一員として会社をやってたこともありますが、あくまで共同経営でしたから。年齢的にも再就職は厳しく、どうやって生きていくのか?仮に一念発起して起業するにしても「本当に自分一人でやっていけるのか?」という超現実的な課題もありました。
それに加えて、貯金はゼロでした。退職金だけが唯一の望み。でも、生活の為に借りたお金が200万円程ありました。別にギャンブルや遊興でこしらえたものではありません。もう何年もボーナスは寸志程度。給料は上がらずで、年収は100万円以上減っていました。特別贅沢もしませんでしたが教育費や予想外の出費があった時にわずかな蓄えも出し切ってしまい借金することで何とか生計を保っていたのです。退職金と言っても大手さんの様に何千万ももらえはしません。借金返済に退職金を当ててしまえば、そんなに沢山残るわけでもない。
そんな様々な悩みを抱えつつも、僕が退職し結果独立を選んだ理由は、「腹をくくった」からです。もしダメだったら、ダブルワーク、トリプルワークしてでも何とかしようと思ったんです。それと同時に、「この年齢で再就職先を探すことは人生の時間の浪費だ!選択肢は挑戦しかない。もう挑戦する以外は無い」と考えたのです。良い会社だったらこんなことを考えることもなく定年まで勤めて、その後も嘱託として65歳までは働く道もあったでしょう。しかし、汚いやり口で僕が自分の口から「辞めます」と言わせようとジリジリ精神的な拷問ともとれる方法で痛めつけてくるる会社・・・経営陣に嫌気がさしたのです。こんなところで僕の人生の大切な時間を奪われるくらいならお望み通りとっとと辞めてやる!その時にスーッと楽になった。腹をくくった瞬間でした。皮肉にも背中を押してくれたのは会社だったのです。僕の迷いを吹っ切ってくれた。今となれば感謝していますよ。
やはりバンジージャンプは飛ぶ前が一番怖い。押されるか蹴とばされるかしないと、なかなか飛ぶことが出来ない。僕が今見ているのは飛んだからこそ見える景色。もう「サザエさん症候群」も月曜日早朝にうなされることもなくなった(笑)
つまり、「人生は一度きり」は、口癖でよく使われるフレーズかもしれませんが、その言葉を真剣に考え、深く悩むことがほとんどないと思います。しかし、僕の場合、退職して起業を決断するときに、「人生は一度きり」という思いを深く考え、悩みました。しかし頭の中で堂々巡り・・・怖かった。本当に怖かった・・・。飛ぶまでは。でも飛んでよかった!
あの時のように「人生は一度きり」という言葉を深く考えることは、おそらくこれからの僕の人生でもうないかもしれません。しかし、その経験が僕の人生を劇的に変え、今の僕を形成しています。だからこそ、決断をするときは自分自身と深く向き合い、自分の人生を真剣に考えることが大切だと、改めて感じています。